柔道整復師の新人必見! 入社してから新人研修までを解説

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柔道整復師を志して就職活動をする中で、将来のキャリアはもちろん、入社してすぐのことが気になっている人は多いのではないでしょうか?入社したらどんなライフスタイルになるのか、どんな研修を受けてどんなスキルを得ることができるのか、期待に胸を膨らませていることかと思います。それこそ3年後はどんな柔道整復師になっているのか?5年後は?と想像してみる事もあるでしょう。

しかし実は、柔道整復師は離職率が高く、その原因の一つが、研修制度が充実していないからだと言われています。もちろんしっかりと研修を受けられるところもありますが、行き届いたケアが不十分であることは業界的に否めません。柔道整復師としての成長を感じる事が出来ず、キャリアを具体的に想像する事が出来ない為に転職する事も少なくありませんこの記事では、柔道整復師、主に整骨院で働く際の研修事情について、詳しく紹介していきます。

目次

新人が退職してしまう理由は新人研修がないから!?

柔道整復師になるには、高校卒業後、文部科学省指定の大学の柔道整復師関連学部や厚生労働省指定の養成施設を卒業したのち、柔道整復師国家試験に合格することが必要です。石の上にも3年と言いますが、柔道整復師の養成施設での修業年数は最低3年と言われています。基礎的な医学の知識、解剖学や生理学といった知識だけではなく、柔道整復術をはじめとする技術もしっかり身につけた上で、合格率7割を切る国家試験に合格して、やっと柔道整復師として活躍できるのです。

それほど大変な努力をしてやっと入社できるにもかかわらず、「柔道整復師の離職率は高い」と言われています。柔道整復師という職種に限った話ではなく、あらゆる業界において、新卒就職者の30%程度は3年以内に職場を辞めてしまうと言われていますが、中でも柔道整復師の離職率は高いのです。

厚生労働省が発表した平成30年度のデータによると、接骨院の3年離職率は約30%で、約3人に1人が3年以内に職場を辞めています。また、1年離職率は約14%で、約7人に1人は1年以内に辞めているというデータが出ています感覚的も確かにこれは高い離職率だと感じますよね。

では、一体なぜ柔道整復師の離職率が高いのでしょう?よくいわれる退職理由としては、

“拘束時間が長いこと”

“整骨院の給料が安いこと”

“独立などのキャリアアップのため”

“人間関係が上手くいかなった事”

などが挙げられています。

一方で1~2年以内という短期間で辞めてしまう人においては、

“新人研修がなく、成長を実感できない。キャリアが描けない・スキルアップができない”

といった退職理由も耳にします(サニタス自社調べ)。

実際、1年~3年以内で辞めてしまった柔道整復師の話を聞いている“新人研修はなく、いきなり現場で学ぶスタイルだった”“一応研修はあったけど、半日ほどで最低限のことを教えてもらうだけだったという声も聞きます。研修がなければ、自分のしている施術が正しいのかもわからないし、研修制度のない治療院でのキャリアアップは思い描けないと思うので、早々に離職してしまう人が多いという事実にも頷けます。

柔道整復師の手技は目で見て盗め!?

柔道整復師の治療技術は1,200年余りの歴史を有し、日本の伝統医療として連綿と受け継がれてきたものです。これは柔道の『殺法』と『活法』から派生し、先人の治療家たちの臨床的経験の積み重ねによって構築された医療であり、これまで比較的狭い師弟関係の中でのみ秘伝的に伝承されてきた日本固有の伝統医療、伝承治療の技術形態です(公益社団法人 東京都柔道整復師会HPより)。

元々は師弟関係を通して受け継がれてきた技術であるため、依然として職人気質で、“教わるのではなく自分の目で見て盗め”という文化が続いている治療院も少なくありません。いわば体育会系の上下関係のようなパワーバランスで、質問をしたいと思っても聞ける雰囲気じゃないといった声もあります。

しかし時代も大きく変わり手技は無料で動画サイトで掲載される事も多々あります。依然として柔道整復師たるや手技は目で見て盗め!のような文化の中では新人は育ちにくいです。目で見て盗ませることは圧倒的に効率の悪い教育方法ではありますし、新人は“このやり方で、3年後に自分はちゃんと成長できているのだろうか?”と不安や疑問を持つ人も多いでしょう。これが理由で柔道整復師が辞めてしまったのであれば経営者の責任ですし、本末転倒と言えます。実際、そういった“技術は教わるのではなく盗む”という職場と、新人研修が充実している職場とでは、3年後にはスキルに差がつき、市場価値も全く変わってきてしまいます。新卒からの伸び率が低いと、いざ転職しようと思っても、技術もノウハウもないため転職できないということになってしまいます。

また、治療院に来るお客さんにとってはその場の施術が全てなので、“研修が充実しているか/していないか”なんていうのは関係ありません。どの柔道整復師に当たっても常に同じクオリティの高い施術を施すためにも、新人の時にみっちりと研修を受けておくことは非常に重要です。

新人研修=学び続ける事が出来る環境です

新人研修が存在する治療院であれば、高確率でそれ以降も研修があります。例えば、テーピングや装具固定など、施術家としてよりよい技術を身に付けるための「技術習得研修」や、リーダーとして社員をうまくまとめるための「マネジメント研修」など、治療院によって様々な研修制度が設けられています。自分の年齢や職位によって研修内容が変われば、満足度も高く成長を感じる事が出来るでしょう。

とりわけ入社したての若い頃は、「研修は自分の時間を奪われるからいやだ」「プライベートの時間を使ってまで勉強したくない」と感じることがあるかもしれませんが、将来必ず「あの時研修を受けられてよかった」と感じるはずです。色々な患者様がいて、様々な症例があって、医療分野において学びの終わりがくることはありません。医療に携わる限り、常に学び続ける必要があります。

また研修が充実しているということは、自分で出来るようになりたいことを選べるということですし、また会社からあなたが期待されているともいえます。キャリアアップのチャンスが誰にでもあるということなので、やりがいを感じる人も多いでしょう。

新人研修ではどのような事をするのですか?

では、実際に新人研修としてどのようなプログラムがあるのか、いくつか具体的にご紹介していきます。

まず、社会人として必須の能力である「コミュニケーション研修」。コミュニケーション研修とは、業務内外で行うコミュニケーションで勘違いを起こさないように、正しいコミュニケーションルールの基礎を学ぶ研修のことです。例えば名刺の渡し方。柔道整復師だからと言って名刺の渡し方もわからなければ、社外の方とのコミュニケーションは取れません。事業を行う上で名刺の渡し方だけに限らず、コミュニケーションは非常に重要であり、患者様、そして職場の仲間と円滑に関係を気づくために必要とされます。特に整骨院は、患者様と長期的に関わることが多い職種です。施術をする中で、症状や生活習慣について聞いたり、普段できるストレッチを指導したりするので、しっかりとコミュニケーションを取れることは最低限必要であり、同時に非常に重要なスキルでもあります。

また、「手技研修」や「物理療法」がある治療院もあります。これらは、ケガの回復期のリハビリ時に行う療法です。手技療法とは、熟練の技術を用いて患部にアプローチする技のことであり、物理療法は、温熱や冷却、電気や光などのエネルギーを発する機器を用いて、患部に刺激を与える療法のことです。この二つを組み合わせて、患者様の持つ自然治癒力を高めるのですが、こういった技術を研修を通して先輩から学ぶことができます。

そのほかにも、カウンセリングの方法を学ぶ研修や、将来を見据えたマネジメントに関する研修など、治療院によってその研修制度は多岐に渡ります。柔道整復師としてのさらなる勉強意欲、向上心のある人は、研修制度の充実加減で就職先を選ぶのもいいかもしれません。

また、柔道整復師になる人の中には、新卒として就職する頃から、将来は独立起業を目指している人も多いかと思います。そういった目標を持っている人は、経営やマネジメントに関する研修を受けられる企業を進んで選ぶとよいでしょう。経営というのは普通に過ごしていれば、極端を言えば学ぶ事が出来ない領域になるので、業務外であったとしてはこれらの研修がある事は非常に有意義な時間になると言えます。

また実際に独立起業をした際に、「どういった研修がその後のキャリアで役に立ったか」、「こんなことを学べたらさらによかった」など、自分自身が経験したからこそ、新人の立場の気持ちも良くわかると思います。自分の治療院では、そういった反省をもとに充実した研修制度を設けてお客様の満足度をあげるなど、その後のキャリアでも大切な経験になるはずです。

新人研修だけでなく、マニュアルがないところも

新人として入ってしばらくすると、通常業務に就くことになります。通常業務の中では、マニュアルがあるところと無いところがあります。マニュアルがあると業務の「明確化」と「平準化」がしやすくなります。そのため、仕事を始めたばかりでまだ慣れていない人や、転職してきて業務内容を十分に把握しきれていない人には、マニュアルは大きな助けになります。仮に新人研修が十分ではないところでも、きちんとしたマニュアルがあれば基本的な業務については把握できるので、慣れさえすれば大きな不安を感じることは少なそうです。

しかし中には、マニュアルが無い治療院もあります。「マニュアルが無い」というのは、無知のままでいいという意味ではなく、あくまでサービスレベルの平準化が目的とされています。マニュアルが無いことによる一番大きなメリットは、やはり柔道整復師として自分でお客様の症状を見極め、施術できることだといえます。自分のスキルに自身のある方は、「この処置がいい!」と自分で判断できる治療院の方が伸び伸びと働くことができるかもしれません。しかし、新人として入った治療院にマニュアルが無いとなると、かなりハードルが高く感じる人も多いでしょう。その上新人研修がないと、ベースとなる考え方や施術方法を把握しないまま現場に出ることになってしまいます。研修やマニュアルのことも含め、教育制度に疑問を感じる場合は、面接の際にでも聞いてみるといいでしょう。

新人研修が充実している柔道整復師の求人を探すには?

ここまで、“新人研修が3年後のキャリアを決めるほど重要”だという話をしてきました。せっかく苦労して入った治療院の研修制度が充実していなければ、キャリアプランが描けず転職しなければならない羽目になってしまいます。二度手間にならないためにも、新卒で入る会社や治療院はしっかりと選んでおく必要があります。もちろん新卒だけではなく、今の研修のない環境に不安があるの出れあれば、いつからでもやり直すことが出来ます。

しかし、自分一人で新人研修の充実したところをリサーチするのは困難です。実際どのような研修があるのか?月どれくらいの時間で研修があるのか?残業としてなのか?それとも任意なのか?と気になるポイントは多岐にわたります。効率よく、しっかりとした研修制度のある治療院や会社を探すためにも、ぜひWELLジョブに登録してみてください。3年後、5年後、10年後を見越したキャリアプランとそれを叶えられる職場を、一緒に探していきましょう!

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