国家資格を持つ柔道整復師は、安定性があるとして人気のある職業です。現場での働きがやりがいのある仕事でもあり、さらに経験を積んでいくと、ゆくゆくは独立開業ができることも大きな魅力の一つで、経営に成功すれば年収1,000万円超えも狙えるといわれています。
しかし柔道整復師の仕事は時として「辞めたい」と感じてしまう事もあります。決して楽な仕事だけではなく、柔道整復師の増加、治療院の増加と柔道整復業界の競争が激化していることもあり、「現場」や「経営」で大変なことや苦労することも多々あるのが実情です。本記事では、柔道整復師という職にはどのようなつらさがあるのかを紹介していきます。
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①患者様とのコミュニケーション
柔道整復術では、症状が完治するまで継続的に通院を求めるケースがほとんどです。お悩みを聞き出して、個々の症状に対して施術をしていくため、患者様一人一人との密なコミュニケーションは必要不可欠です。
そのため、人見知りな方や、話すことが苦手な方は、難しさを感じることがあるかもしれません。柔道整復師としての技術が高ければ良いというものではなく、接客業として必要であるコミュニケーション能力も重要となります。
またお客様と接する距離が近い分、クレームが届きやすいところも難点です。患者様が柔道整復師に対して不快感や頼りなさを感じないように、最低限の礼儀や接客能力を身につけておく必要があります。特に治療院のエリアによっては、経営者や社長が多い高所得者が集まるところもあり、接遇部分で高いレベルを求める場合もあるため、想定外のクレームやご指摘をいただくケースもあります。これもまた、柔道整復師として「つらさ」を感じる部分です。
また、たとえ柔道整復師としての技術が高かったとしても、それを伝える術がなければ再来院してもらえることはなく、経営にマイナスなインパクトを与えてしまうこともジレンマでしょう。特に独立開業している柔道整復師であれば、患者様がいて初めて経営が成り立つために、再来院をしていただくため、丁寧にコミュニケーションを取る事も重要になります。
柔道整復師にとって、コミュニケーション能力は技術と同じくらい大切だといっても過言ではありません。
スタッフ同士の課題
そして多くの柔道整復師が密かに頭を悩ませているのが、スタッフ間でのコミュニケーションです。
自分から話しかけるのが苦手な方や、疑問があっても質問するのに遠慮してしまう方は、ここでも苦労することが多いようです。また、柔道整復師は医療技術職ということもあり、いまだに師弟関係のような権力構造が残っている職場が多い傾向にあります。
治療院内でのコミュニケーションは、雰囲気として患者様にも伝わります。「明るい雰囲気の治療院だからまた来たい!」と感じて頂ける事もあれば、逆に「なんだかギクシャクしていて、柔道整復師同士でいがみ合ったりしているからもう来たくない」と感じさせてしまう事もあります。
柔道整復師自身のコミュニケーション能力の問題であれば、自分の努力で改善する事ができますが、得てして自分の能力だけでは解決できない状況も事実としてあります。このような場合は転職というのも、1つの解決方法として視野にいれると良いでしょう。
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②体力勝負
柔道整復師は立ち仕事が基本です。繁盛している病院では何時間も立ちっぱなしになりますし、施術にも力が必要です。同じ姿勢をとることが多いため、腰痛やむくみに悩んでいる方も少なくありません。
また、「あんまマッサージ指圧師」の免許を持っている柔道整復師の場合は、施術中にマッサージを行うこともあります。そうなると腱鞘炎になりやすかったり、腕に疲れが溜まったりしてしまいます。このような体力的な部分で、柔道整復師がつらいと感じる事も少なくありません。
自分自身が常に疲れている状態だと、患者様に良い施術ができなくなってしまうので、自分の体をケアして健康に保つことも柔道整復師の大事な仕事といえるでしょう。普段からジムに行って運動する、食事に気をつけるなど、健康管理に人一倍神経を使わなければならない職業といえます。
休憩時間には散歩をしてリフレッシュしたり、患者様の目につかないところでストレッチをしたりして、こまめに息抜きをするように注意してください。
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③勤務時間が長い
勤務時間はそれぞれの店舗により異なりますが、開始時間は朝9時ごろ、終了時間は20〜21時ごろの所が一般的です。基本的に労働時間は1日8時間以内と定められていますが、カルテ整理や事務作業、閉店後の清掃などを含めると、実質的な拘束時間は10時間を超えるところも。
多くの整骨院では、お昼休みや中休みなどの休憩時間を長めに設けているため、その多い分拘束時間が長くなってしまう傾向にあります。職場が一旦家に帰れる距離にあるならまだしも、休憩室やカフェで長い休憩時間を過ごすのも一苦労です。
また、休日営業をしている店舗が多いため、土日休みの友人や家族と予定が合わせにくいという悩みを抱えている方もいるようです。
これらの勤務時間の長さや、拘束時間の長さから柔道整復師の仕事がつらいと感じるケースも多いです。確かに柔道整復師の仕事は勤務時間の長さはありますが、一方で治療院によって残業代がしっかり出る、サービス残業になっているなど対応も異なります。また方針として残業が少なくなるように、様々な改善をはかっている治療院もあるために、自分自身の働き方が「つらい」と感じる時はWELLジョブのキャリアアドバイザーに相談してみるのも、冷静に現状判断をするための一つの手です。
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④独立開業しても・・・
柔道整復師の資格保持者は、実務経験と研修の受講により受領委任の取扱いが行える「接骨院」や「整骨院」を開業することが出来ます。独立開業できるのも柔道整復師の大きなメリットではありますが、一方で経営には金銭面での負担、患者様の集客、従業員の採用など、頭を悩ませるポイントも多々あります。
高いレベルの施術が求められるのはもちろんのこと、柔道整復師以外の経営能力も必要となり、大きな責任に重荷を感じることもあるでしょう。
また、近年柔道整復師の人気が高まっているのに伴い、整骨院の数は年々増え続けています。厚生労働省によると、平成30年末時点の就業柔道整復師は73,017人で、前回調査(平成28年末)に比べ4,897人(7.2%)増加したそうです。柔道整復施術所数は50,077か所で、前回比で2,053か所(4.3%)増加しているとのこと。競争の激化が原因で倒産が急増していることも、開業を考えている方はぜひ念頭に置いておいてください。競合が多い分で勝ち残って行くためには、他には無いサービスや技術で差別化を図る必要があるでしょう。
学生時代や現場で働いている時は意識しなかった「経営観点」になりますが、経営者になると頭を悩ませることが常です。採用の問題や、スタッフの技術レベルの問題、お客さんの集客の問題、クレームやトラブル、機器購入の問題など、様々お金にかかる悩みも出てくることも、経営者ならではのつらさです。
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⑤理想と現実のギャップ
柔道整復師になるには、高校卒業後、文部科学省指定の大学の柔道整復師関連学部や厚生労働省指定の養成施設を卒業したのち、柔道整復師国家試験に合格することが必要です。養成施設の修業年数は最低3年。養成施設では解剖学や生物学、運動学などの基礎科目に加え、柔道整復やリハビリテーション学などの臨床について幅広く学びます。
基礎的な医学の知識、解剖学や生理学といった知識だけではなく、柔道整復術をはじめとする技術もしっかり身につけた上で、合格率7割を切る国家試験を受けて合格してやっと、柔道整復師として活躍できるのです。しかし、それほど苦労して柔道整復師になっても、整骨院ではその知識やスキルが必要でないもみほぐし的な仕事ばかりをすることも多く、抱いていた理想と現実のギャップにやりがいが薄れてしまうという意見もあります。
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柔道整復師が「つらい」と感じたら転職はあり?
心のうちではつらいと感じていても、他の柔道整体師の働き方を知らなければ、「自分の働き方が一般的だろう」「他の柔道整復師はもっと頑張っているはず」などと思ってしまうかもしれません。
しかし、実は他の職場は勤務時間が今より短かったり、同じ勤務時間であっても給料が高かったりするケースもあります。また、柔道整復術の技術や知識を活用すれば、他の業界で働くことも可能です。例えば、身体に関する豊富な知識を駆使してスポーツトレーナーとして働く、小顔矯正やo脚矯正などを行う美容施術に携わるなど、活躍の場は多岐に渡ります。
まずは自分の能力と経験から、給与が適切なのか知るためにも、WELLジョブに登録してみませんか? 院長の意向などによって職場の特色が異なるので、「柔道整復師という仕事は好きだけど今の職場が合わない」などと感じている方は、まずそこをチェックしてみてくださいね。こんな時代だからこそ自分で情報を取りに行って、ご自身に最も合った働き方を見つけましょう!
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