ケガ(外傷)の中でもっとも多いと言われているのが「捻挫」です。子どもの頃や大人になってから、高齢の方など一度は経験したことがある人が多いのではないでしょうか?接骨院にいったら捻挫の学生が沢山いた!?なんてシーンに遭遇したことはありませんか?
捻挫なんて軽症でしょ?と考えてしまいますが、捻挫をしたとき、軽度だからといって放置するのは厳禁です。適切に対処しないと悪化したり、二次症状を引き起こしたりするケースもあるからです。
そこで今回は、捻挫の症状や対処法についてご紹介します。捻挫をしたときに受診すべきなのは接骨院なのか整形外科なのか、という疑問にもお答えします。WELLジョブスタッフの元柔道整復師小堀が記事の監修をおこないました。
捻挫とは?接骨院と整形外科どっちに行くべき?
家の中や外出先で捻挫をしてしまった場合、接骨院と整形外科のどちらを受診すれば良いのでしょうか? ここでは、捻挫とはどのような症状なのか、また、接骨院と整形外科の治療法の違いについても解説します。
捻挫とは、柔道整復師が治療する外傷の一種
捻挫とは、関節の骨がずれて痛みや内出血を伴う症状のことです。とくに多いのは、足をくじいて足首の関節がずれ、痛くて歩くのが困難になるケースが多いでしょう。脱臼は完全に関節の骨が外れた状態ですが、捻挫は軽くずれている状態です。
具体的には、関節の可動域を超えるほどの衝撃を受け、靭帯や腱などが異常に伸びてしまう状態のことを捻挫と呼びます。ひどい場合には靭帯が断裂し、腫れや内出血を起こして数ヶ月以上痛みが残るケースもあります。
捻挫は柔道整復師が治療する外傷の一種で、接骨院や整骨院で治療を受けることが可能です。
捻挫をしたら接骨院と整形外科のどっちに行くべき?
捻挫は外傷の一種なので、接骨院と整形外科のどちらを受診すべきか迷うことも多いでしょう。前述の通り、接骨院で治療を受けることが可能ですが、もちろん整形外科で治療を行うことも可能です。
では、それぞれ治療法に違いはあるのでしょうか?
接骨院と整形外科の捻挫治療の違い
捻挫をして受診する場合、接骨院と整形外科で行う治療は、基本的には変わりません。しかし、それぞれにできる治療とできない(もしくは行わない)治療もあります。このあたりを理解して捻挫した際にどちらで診察すべきなのか?を決めると良いでしょう。
整形外科を受診した場合の捻挫の治療法は、まずはレントゲンやMRIなどの検査で状態を確認するのが基本です。状態を確認できたら、患部が動かないようにサポーターやギブスなどで固定します。必要に応じて、痛み止めなどの薬を処方される場合もあります。
一方、柔道整復師が治療を行う接骨院では、自然治癒力を活かして元の状態に回復させる治療が基本です。接骨院や整骨院ではレントゲンや薬の処方ができないため、患部に直接触れたりしながら状態を確認し、元の状態に戻す「整復」や、患部を動かないようにする「固定」などの治療を行います。
柔道整復師が施術を行う接骨院では、損傷前と同じ状態に戻すことをおもな治療法としているため、捻挫した患部の回復のために、経過をみながら「手技療法」「物理療法」「運動療法」などの治療まで行います。
捻挫はどれくらいで治りますか?
捻挫をすると痛みを伴うため、日常生活に支障をきたす場合があります。では、どれくらいで治るのか気になりますよね。ここでは、捻挫が治るまでの期間について解説します。
一般的には1~2週間くらいで治る可能性が高い
足をくじいて捻挫することがもっとも多いケースですが、通常の日常生活を送れるくらいに回復するまでに、一般的には1~2週間くらいかかります。捻挫をした直後から患部を冷やしたり、しっかりと固定して安静にしたり、適切な対処をすることで回復が早くなります。
軽い捻挫の場合には、「痛みを伴うものの歩くことはできる」という場合もあります。しかし、それでも安静にすることが大事です。適切な対処をしなければ、たとえ軽い捻挫であっても回復が遅れたり、「変形性足関節症」などの症状を引き起こしたりするケースもあります。
捻挫の症状によって異なる
捻挫とひとことで言っても程度の差があるため、捻挫の症状によって回復期間が異なります。捻挫には、おもに3段階の程度があります。
・1度(軽度の捻挫)……靭帯の一部が損傷・断裂し、軽度の痛みや腫れを伴う
・2度(中度の捻挫)……靭帯が部分的に断裂し腫れを伴い、関節の動きが制限される
・3度(重度の捻挫)……靭帯が完全に断裂し、腫れ・内出血を伴い、関節が不安定になる
腫れや内出血は中度の捻挫でも起こり得ますが、重度の捻挫の場合には、すべての症状の程度が強いと考えましょう。
回復期間も程度によって異なり、1度なら1週間程度、2度なら3~4週間程度、3度なら2~3ヶ月程度の回復期間が必要です。
柔道整復師の「捻挫」対処法
では、具体的に捻挫の対処法にはどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、接骨院や整骨院などで行う柔道整復師の対処法についてご紹介します。
捻挫をしたら患部を動かさずに安静にする
捻挫をした直後から行うべき対処法は、とにかく「患部を動かさないこと」が重要です。捻挫の程度によっては「痛いけど何とか歩ける」というケースもありますが、無理して歩いてしまうと回復が遅れる場合があるので気をつけましょう。
そのため、捻挫の程度にかかわらず、まずは安静にすることを重視してください。
捻挫した患部を冷やす
捻挫をすると靭帯や腱などが断裂している可能性があるため、患部が炎症を起こします。そのため捻挫した患部が腫れあがることが多いですが、内出血を最小限に食い止めるためにも、患部を冷やすことが重要です。
捻挫をしたときの応急処置としても冷やすことは重要なので、アイスバッグなどで冷やすようにしましょう。
捻挫した患部を整復・固定する
接骨院や整骨院を受診すると、まずは患部がどのような状態になっているのか柔道整復師が確認します。患部に直接触れたり、動かしたり、バランスを見たりしながら捻挫の程度を判断します。
そのうえで、適切な整復と固定を行うのが一般的です。整復とは、捻挫によってずれた関節を元の状態に戻すことです。整復を行ったうえで、ギブスなどで患部を固定します。この際に、内出血を抑えるための「圧迫」を行う場合もあります。
自宅に戻って安静にする際は、患部を心臓よりも高い位置に上げる「拳上」をすることが大切です。患部には血流が集中してしまうので、腫れや内出血を最小限に食い止めるためにも大切な対処法の1つです。
柔道整復師の治療法と後療法について
ここまでの対処法は、安静(Rest)冷却(Icing)圧迫(Compression)拳上(Elevation)のそれぞれの頭文字をとって「RICE」と呼びます。
さらに、経過観察をして「後療法」も行います。捻挫した患部の回復を早めるために行われる治療のことで、おもに「手技療法」「物理療法」「運動療法」の3種類あります。
・手技療法……マッサージなど手で刺激を加えて治癒を早める
・物理療法……電気や温熱、音波などを用いて身体の機能を回復させる
・運動療法……日常生活に戻れるように運動を取り入れた回復を図る
柔道整復師は、人間が本来持っている自然治癒力を活かした治療法を行うため、薬に頼らずに身体の機能を回復させることができます。
(株式会社サニタス 元柔道整復師小堀監修)
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今回は捻挫をしたときの症状や回復期間、対処法などについてご紹介しました。すでに柔道整復師として働いている人ならご存知の内容ですが、あらためて捻挫や骨折などの外傷によって接骨院などを訪れる患者さんが多いことを再確認できたのではないでしょうか?
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